財務省(税関)から、令和8年5月分の貿易統計の速報が公表されました(公表日:令和8年6月17日)。「貿易統計」と聞くと、輸出入を手がける大企業や商社だけの話に思えるかもしれません。しかし、上野・台東区エリアで事業をされている飲食店・小売店・建設業の経営者の皆さまにとっても、実は身近なところでつながりのある情報です。今回はこの貿易統計について、やさしくご説明します。

そもそも貿易統計とは?

貿易統計は、日本がどれくらいモノを輸出し、どれくらい輸入したかを財務省(税関)がまとめて公表しているものです。毎月の速報として発表され、輸出額・輸入額や、その差し引きである「貿易収支」などがわかります。国の経済の動きを知るうえで、基本となる重要な統計のひとつです。

今回公表されたのは令和8年5月分の速報です。具体的な数値については、税関ホームページ(財務省の公表ページ)でご確認ください。本記事では元情報に記載のない数値の断定は控えますので、詳しい金額の動きはぜひ出典元でご覧ください。

中小企業の経営者にどう関係するの?

「輸出入なんてうちには関係ない」と思われるかもしれません。ですが、間接的には多くの事業者に影響があります

  • 飲食店:輸入される食材・飲料・調味料の価格は、為替や輸入の動向に左右されます。
  • 小売店:海外から仕入れる商品の仕入れコストに影響します。
  • 建設業:木材や鉄鋼など輸入に頼る資材の価格は、貿易の状況と無関係ではありません。

つまり、貿易統計は「これから仕入れコストがどう動きそうか」を読み解くヒントになるのです。輸入が活発で円安が進む局面では仕入れ価格が上がりやすく、逆の場合は落ち着くこともあります。こうした大きな流れを早めにつかんでおくことで、価格設定や仕入れのタイミング、資金繰りの見通しを立てやすくなります。

💡 税理士のワンポイント解説

以前、台東区で輸入雑貨の小売店を営むオーナーの方からこんなご相談を受けたことがあります。「円安が進んでから仕入れ値が明らかに上がっているのに、試算表を見ても何がどう変わったのかよくわからない」というものでした。確認してみると、仕入れ原価の変動が月次の数字にそのまま現れているにもかかわらず、「なぜ利益が落ちたのか」が決算書の上で整理されていなかったのです。顧問の先生からもとくに説明がなかったとのことでした。

仕入れコストが上がっているときこそ、試算表や決算書で「コスト上昇が原因なのか、販売不振が原因なのか」を毎月切り分けておくことが重要です。顧問税理士との月次ミーティングで、こうした変動をテーマに話せているか、一度確認してみてください。数字の「読み方」を一緒に整理することも、私たちの大切な仕事です。

具体的に何をすればよい?

難しく考える必要はありません。次のような小さな一歩から始めてみてください。

1 自社の仕入れのうち、輸入品や輸入に影響される品目がどれくらいあるかを整理してみる。
2 仕入れコストが上がったとき、価格にどう反映するか・利益でどこまで吸収できるかを一度シミュレーションしておく。
3 月々の経費のうち、為替・輸入の影響を受けやすいものに目印をつけ、変動時にすぐ気づける仕組みをつくる。

こうした準備をしておくと、コストが急に上がったときにあわてず対応できます。また、決算や試算表の段階で「なぜ利益が減ったのか」を仕入れコストの面から説明できるようになり、経営判断にも役立ちます

大きな流れを味方につける

貿易統計のような国の統計は、個々の数字を追いかけるよりも「全体としてコストが上がりやすい時期か、落ち着く時期か」という大きな流れをつかむために使うのがおすすめです。日々の経営に追われていると、こうした情報まで目が届きにくいものですが、月に一度ニュースをチェックするだけでも、先を見通す感覚が養われていきます。

仕入れコスト上昇が資金繰りを圧迫したとき、銀行にどう説明しますか?

コスト上昇が続く局面では、運転資金の確保が経営の命綱になります。「融資を申し込んだが断られた」「銀行にどう説明すればよいかわからない」というご相談は少なくありません。そうした場面では、決算書の見せ方・事業計画書の数値根拠の整え方が鍵を握ります。

🏦 元銀行員のワンポイント解説

銀行員時代、食品関連の卸売業を営む社長の融資審査に担当者として立ち会ったとき、前期比で利益率が落ちていることがネックになった場面がありました。社長は「輸入原材料の価格高騰が原因です」と口頭で説明されましたが、それを裏付ける資料がまったく用意されていなかったのです。審査の場では口頭の説明だけでは難しく、追加資料の提出をお願いすることになりました。

「貿易統計でも同時期に輸入コストの上昇が確認されており、業界全体の傾向です」と客観的な市場根拠と自社の数字をセットで示せる経営者は、銀行から見て信頼度が格段に高い。決算書の数字+外部環境の説明が揃っているかどうかが、銀行対策・融資審査をスムーズにする第一歩です。

コスト上昇を乗り越える手段として、補助金・助成金も視野に入れていますか?

仕入れコストの上昇に対応するために設備投資・省エネ化・仕入先の多様化を検討している方には、補助金・助成金の活用が有効な選択肢になることがあります。ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金など、中小企業向けの支援制度は複数あります。ただし補助金申請には事業計画書の作成が必要で、採択を勝ち取るためには数値根拠の整理が欠かせません。

今井税理士事務所が提携する株式会社ARATAS(融資・補助金支援)では、補助金申請の事業計画書作成サポートから採択後の会計処理まで一貫してお手伝いしています。「どの補助金が使えるのか」という入り口のご相談から、お気軽にどうぞ。

「今の顧問税理士、こういう話をしてくれない…」と感じていませんか?

仕入れコストの変動・業界トレンドを踏まえた経営アドバイス、資金繰りシミュレーション――これらは本来、顧問税理士が積極的に提案すべき内容です。「税務申告だけやってもらっている」「提案がない・物足りない」「何を相談すればよいかわからない」と感じているなら、それは税理士の変更を検討するサインかもしれません。

今井税理士事務所(東京都台東区東上野)では、上野・台東区エリアの中小企業・個人事業主の皆さまに向けて、数字だけでなく「経営の今」を一緒に読み解く伴走型の税務顧問をご提供しています。「日本一しゃべりやすい税理士」として、どんな小さな疑問もお気軽にご相談ください。

【出典】
財務省「貿易統計(令和8年5月分速報)【税関ホームページ】」(公表日:令和8年6月17日)
※具体的な数値は財務省・税関の公表ページにてご確認ください。

本記事は公表時点の情報をもとにしています。制度は改正されることがあり、個別の取り扱いは状況により異なります。実際のご判断は税理士等の専門家にご相談ください。

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下記のようなお悩みをお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。

  • 顧問税理士を変えたい・提案がない・物足りないと感じている方(上野・台東区エリア歓迎)
  • 補助金・助成金の申請を検討している方(事業計画書の作成サポートも対応)
  • 融資を断られた・銀行対策・資金繰りについて相談したい方

今井税理士事務所(東京都台東区東上野)|提携:株式会社ARATAS(融資・補助金支援)
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