「被害を取り戻せます」という誘いにご注意を

金融庁が2026年9月1日付で、被害回復等を装った詐欺(いわゆる二次被害トラブル)に関する注意喚起を公表しました。今回は「不動産特定共同事業法」に関係するもので、過去に投資や出資で損をした方などをねらった手口が問題になっています。

台東区・上野エリアの経営者の皆さまの中にも、余剰資金の運用として不動産関連の投資や出資に関心をお持ちの方は少なくありません。そこで今回は、この注意喚起の内容と、事業を守るために何ができるのかを、やさしく整理してお伝えします。

「二次被害」とは何か

二次被害とは、一度何らかの被害にあった方が、その「被害を回復してあげる」という別の勧誘によって、さらにお金をだまし取られてしまうトラブルを指します。金融庁の注意喚起は、この二次被害への警戒を呼びかけるものです。

「あなたの過去の損失を取り戻せます」「手続き費用として先にお金が必要です」といった形で、不安につけこんでくるケースが典型例として知られています。

なぜ経営者・個人事業主にも関係するのか

「自分は投資なんてしていないから関係ない」と感じる方もいるかもしれません。しかし、次のような点で中小企業の経営者や個人事業主にも身近な問題です。

  • 事業で得た利益を、不動産関連の商品などで運用しているケースがある
  • 取引先や知人からの紹介という形で勧誘を受けることがある
  • 会社名義・個人名義の資金が入り混じり、判断を誤りやすい
  • 一度損失を出すと「取り戻したい」という心理が働きやすい

とくに事業資金は、生活資金以上に大きな金額が動きます。だからこそ、あやしい話に巻き込まれたときの影響も大きくなりがちです。

あやしい勧誘に見られやすい特徴

金融庁が一般に注意を呼びかけている手口には、次のような共通点があります。

よくある言葉・状況 注意すべき理由
「必ず被害を回復できる」 回復を確約できる正規の業者は基本的に存在しない
「手数料・保証金を先に払って」 先払いを求めるのは詐欺の典型パターン
「今日中に決めて」と急がせる 冷静な判断をさせないための手口
公的機関を名乗る連絡 公的機関が個別に金銭を求めることは通常ない

具体的に何をすればよいか

被害を防ぐために、経営者としてできる備えを整理します。

  1. 「先にお金を払えば取り戻せる」という話は、まず疑う。その場で契約や振込をしない。
  2. 相手の会社名・登録の有無を確認する。不動産特定共同事業などは許可・登録が必要で、金融庁や自治体で確認できる場合があります。
  3. 一人で判断せず、家族・顧問の専門家・公的相談窓口に相談する。
  4. すでに支払ってしまった場合は、消費生活センターや警察などへ早めに連絡する。

「おかしいな」と感じた時点で、いったん立ち止まって相談することが、被害拡大を防ぐ最大のポイントです。

元銀行員
元銀行員のひとこと

資金繰りのご相談を受ける中でも、「損を取り返そう」と焦った結果、さらに苦しくなってしまう例を見聞きします。金融の世界では、うまい話ほど慎重にというのが基本です。判断に迷ったら、契約前に一度立ち止まって、信頼できる相手に話してみてください。

まとめ:落ち着いて、相談を

今回の金融庁の注意喚起は、「被害を回復します」という誘いそのものが、新たな被害の入口になりうるという警告です。事業資金を扱う経営者ほど、冷静な確認と相談の習慣が身を守ります。

台東区・上野周辺で事業を営む皆さまが、あやしい話に巻き込まれず、安心して本業に集中できることを願っています。資金や事業のお金まわりで「これは大丈夫だろうか」と迷ったときは、お気軽に今井税理士事務所にお声がけください。地域の身近な相談相手として、一緒に考えます。

出典

金融庁(2026年9月1日公表)

本記事は公表時点の情報をもとにしています。制度は改正されることがあり、個別の取り扱いは状況により異なります。実際のご判断は税理士等の専門家にご相談ください。

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