「同一労働同一賃金」の改正省令・告示が公布されました
厚生労働省から、「同一労働同一賃金」に関する改正省令・告示が公布されたとのお知らせが出ました。「同一労働同一賃金」という言葉は耳にしたことがあっても、「自分の会社に具体的にどう関わるのか」がわかりにくい制度でもあります。ここでは、上野・台東区で事業を営む中小企業の経営者や個人事業主のみなさまに向けて、できるだけかみくだいてご説明します。
そもそも「同一労働同一賃金」とは
「同一労働同一賃金」とは、ざっくり言うと同じ仕事をしている正社員とパート・アルバイト・契約社員などの間で、不合理な待遇差をつけてはいけないという考え方です。基本給や賞与、各種手当、福利厚生などについて、「働き方が違う」というだけで説明のつかない差を設けることが問題になります。
飲食店や小売店、建設業やサービス業など、パートさんやアルバイトさんが多く働く現場では、決して他人事ではないテーマです。
この改正が中小企業の経営者にどう関係するのか
「待遇差の説明」が求められる場面が増えています
近年の流れとして、正社員と非正規で働く方の間の待遇差については、「なぜ違うのか」を会社が合理的に説明できることが重視されています。今回公布された改正省令・告示も、こうした待遇のあり方に関わる内容です。
「元情報に細かい改正点のすべてが記載されているわけではない」ため、ここで具体的な数値や施行日を断定することは控えますが、少なくとも次のような視点で自社を見直しておくことが大切です。
- 正社員とパート・アルバイトで、手当の支給ルールに説明のつかない差はないか
- 賞与や退職金の扱いについて、働き方の違いだけを理由に差を設けていないか
- 福利厚生施設の利用や休暇制度で、不合理な区別をしていないか
人件費は「税務」とも密接に関わります
待遇の見直しは、労務の話であると同時に、会社のお金の話でもあります。手当や賞与の設計を変えれば、当然ながら人件費の総額や利益の見え方も変わってきます。
台東区で飲食業を営む経営者の方から「パートさんへの手当を増やしたいが、経費や税金への影響が心配」というご相談をいただくことがあります。人件費は会社の損金(経費)として扱われ、利益や納税額にも影響します。待遇の見直しを検討される際は、労務のルール整備と合わせて、資金繰りや決算への影響も一緒に確認しておくと安心です。
いま経営者がやっておきたいこと
改正の詳細は今後の情報を確認する必要がありますが、この機会に自社の待遇のあり方を点検しておくことは、どの会社にとっても有益です。次の手順で整理してみましょう。
- 雇用形態ごとの一覧をつくる:正社員・契約社員・パート・アルバイトなど、それぞれの人数と担当業務を書き出します。
- 待遇の違いを見える化する:基本給・手当・賞与・休暇などについて、雇用形態ごとにどう違うかを表にします。
- 違いの理由を言葉にする:それぞれの差について「なぜこの差があるのか」を説明できるか確認します。
- 説明が難しい項目を見直す:合理的に説明できない差があれば、ルールの改定を検討します。
| 項目 | 確認するポイント |
|---|---|
| 基本給 | 職務内容や責任に応じた説明ができるか |
| 各種手当 | 同じ条件なら同じように支給されているか |
| 賞与 | 働き方の違いだけを理由に差をつけていないか |
| 福利厚生 | 雇用形態で不合理な区別をしていないか |
お金の面もあわせて考える
待遇改善は前向きな取り組みですが、人件費が増えれば毎月の資金繰りにも影響します。変更後の人件費を織り込んだ資金計画を事前に立てておくと、金融機関に事業の見通しを説明する際にも説得力が増します。無理のない範囲で計画的に進めることをおすすめします。
待遇の見直しは、労務・税務・資金繰りが絡み合うテーマです。制度の詳細は厚生労働省の情報を確認しつつ、自社にとって現実的な進め方を一緒に考えていくことが大切です。
出典
厚生労働省 人事労務マガジン 特集第246号(2026年7月15日)
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今井税理士事務所(東京都台東区東上野)では、地域の中小企業や個人事業主のみなさまの税務や財務のサポートを行っています。「待遇を見直したいが人件費や税金への影響が気になる」「資金繰りとあわせて相談したい」といったお悩みがあれば、労務の専門家とも連携しながら、できるだけわかりやすくご案内します。気になることがありましたら、お気軽にお声がけください。
本記事は公表時点の情報をもとにしています。制度は改正されることがあり、個別の取り扱いは状況により異なります。実際のご判断は税理士等の専門家にご相談ください。
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